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        東京の臺所2
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        料理に愛情を込めるってどうやるの? やってるつもりなんだけど〈265〉

        〈住人プロフィール〉
        40歳(女性?大學職員)
        マンション?3LDK?京王相模原線 南大沢駅?八王子市
        入居6年?築年數約30年?夫(38歳?會社員)、長男(6歳)、次男(4歳)、三男(2歳)と5人暮らし

         『まだ思い出になっていない、現在進行形の話です。私は、3人の男の子の母親です。子どもたちは、私の作った料理(たとえば肉野菜炒め、鶏大根)に手をつけません。白米と、ときどきみそ汁を口につけるだけです。料理に愛情を込める、と聞くけれど、それってどうやるの? やってるつもりなんだけど。また食べてもらえないかもなーと思うと、作る気力がしおれていきます。私(40)、夫(38)、長男(6)、次男(4)、三男(2)の5人家族です』

         応募メールの行間から、どうしていいのかわからない母の果てしない迷いと、徒労感がひしひしと伝わる。

         10年間の連載で、「作る気力がしおれていく」と、率直に吐露する人は初めてだ。乗り越えて取材に応募してくれる人は多いが、現在進行形はない。

         フルタイムのワーキングマザー。あるいは2歳違いの男児3人でなくても、もしくは働く母でなくても、一生懸命作ったものを家族が食べてくれないときのやるせなさは、多くの人に、おぼえがあるのではなかろうか。

         じつは私もある?!袱饯螭胜耸长伽胜い胜椁猡ψ鳏椁胜い?!」と、イライラして人參(ニンジン)を壁にぶつけたことさえも。そのことを綴(つづ)ったエッセーを、どこかで読んでくれたらしい。

         「ああ、私だけじゃないんだなって思いました。いいと思ってやっていても、相手は食べない。先日もキレちゃって……。で、応募してみました」

         取材日の連絡を取ると、最後に一行、書き添えられていた。

         『一點確認したいことがあります。子どもの急な體調不良の場合、日程を再調整していただくことは可能でしょうか?』

         綱渡りのような日々が目に浮かび、胸の奧がギュッとなった。

        料理に愛情を込めるってどうやるの? やってるつもりなんだけど〈265〉

        実家の母のようになれない自分に落ち込む

         こちらの勝手な想像とはうらはらに、古い賃貸マンションの3LDKは、驚くほどモノがなく、整然としていた。ソファ、テーブル、椅子など殆(ほとん)どの家具はニトリで揃(そろ)え、どんなに傷がついても怒らない。いつか子どもが大きくなったら、こだわったお気に入りを買うつもりだという。

         食器棚や隙間収納家具もない。
         「シンプルが好きというのではなく、とにかく掃除がしやすいようにと考えたらこうなりました。モノをどかして箒(ほうき)で掃くのが面倒なので」

         鍋は三つ、フライパンひとつ。水切りかごはなく、洗ったらすぐ拭いて片付ける。やかんは出しっぱなしにすると汚れるので、持っていない。すべて湯沸かしポットで、こなしている。
         シンク上にモノを置かないのも、ひとえに「掃除をしやすくするため」。
         家事時間を最短に、なおかつ清潔さを保つため、常日頃からこの狀態とのことだった。

         「食器拭きや臺所用手袋は使い捨てです?!跋搐盲聘嗓丹胜恪堡盲茪叭账激Δ韦い浃胜螭扦工瑜?。衛生面も気になりますし」

         3児の生活の痕跡は、シンク內に置かれた、朝の食器と2枚の乳幼児用エプロンだけだった。

         「洗おうと思ったんですが時間がなくて。いつも朝はあわただしくて、夕方保育園から子どもと一緒に帰ってから、洗うことが多いです」

         わりきりがうまく、片付け上手な母に見えるが、話を聞くとまさに「悩み真っただ中」。元々料理は得意でないながらも、少しでも栄養のあるものを、野菜をと頑張っているが、「ほとんど食べないので悲しくなります」。
         
         ピーマンを細かく刻んでチャーハンに入れても、きれいにそれだけ殘す。カレーは、野菜をよけてルーとご飯だけを食べる。

         「私の母は料理上手で、幼い頃から野菜をまずいと思ったことがなくて。自分が母になって、母のようになれていないことに落ち込みます」

         おまけに3人とも食欲にムラがあり、極端に小食だ。

         食べたものが體を作る。
         野菜は體にいい。
         バランス良く、彩り豊かなものを。
         料理は手作りがベスト。

         子育てに関する正論や情報が「呪縛のように感じられて、毎日修行をしているみたい」と、顔が曇る。

        料理に愛情を込めるってどうやるの? やってるつもりなんだけど〈265〉

        黙るか、大聲を上げるか

         一番傷つくのはどんな瞬間かと尋ねた。
         「牛丼を作っても、それには手を付けず“バナナちょうだい”って言われるときとか。不思議と、保育園やよそでは食べるんです。ときどき週末の晝に、義母の家に行くんですが、ミートソースとかラーメンとか子どもが喜ぶ獻立でおいしいんですね。先週の日曜、晝が近づいたら“おばあちゃんち行こうよ”って。喜んでもらおうといろいろ料理のことを考えているのに、カッと腹が立って?!靶肖堡??”と大きな聲で怒鳴ってしまいました」

         會社員の夫は、なんでもおいしそうによく食べるが、朝6時出勤22時帰宅の毎日。
         「私がここまで辛(つら)いと感じているのは、知らないと思います。そういうことを話すのが、私はあまり得意ではないので」

         イライラがつのると子どもたちに対して、黙るか大きな聲を出すかの二択になる。そのことでまた、自分を責めてしまう。
         「こんな私を見て、子どもたちが大きくなったら真似(まね)しないかと怖いです。せっかくいい子たちなのに、私がダメにしちゃっているかも……」

         私は、取材を忘れてありったけの拙(つたな)いアドバイスをした。
         降園後はすぐ一緒に入浴してしまい、子どもたちを疲れさせること。夕食前に煎餅(せんべい)を與えているそうなので、「今切らしちゃったわーごめん」ととぼけて、おやつを回避すること。朝、夕食の一品だけでも仕込んでおき、夕方前の空腹をおかずで満たすこと。
         そして、今食べなくても男の子なんて、中高生になれば恐ろしいほど食欲が爆発すること。外で食べてるなら、もうよしとしましょう。ママのストレスのほうが心配です、と。

         育児があまり楽しくないという彼女の心の重しを、少しでも軽くしたかった。
         うんうんなるほど、やってみますと、次第に目に輝きが燈(とも)る。
         「言われてみると、こうだったらいいのにという自分の理想で、子どもをコントロールしようとしていたかもしれないですね。で、そうならないことに、一番苛(いら)立っていたのかも」

         食事の悩みを人に話したことはないという。
         臺所も部屋も、これだけ見事にスッキリ整えながら、なおも自己を肯定できない彼女を歯がゆく思った。
         
         「冷凍食品を使ったり、カップラーメンを食べさせたりする時、なんでこんなにごめんねって思っちゃうんでしょうね」

         その罪悪感は、きっと彼女だけの特別なものではない。育児や家事は、どんなにやってもあまり褒められない。子どもが大きくなった時に感謝されても、先すぎて、今の気持ちは軽くならない。
         情報が溢(あふ)れていながら、育児や家事はいかに孤獨な作業であることか。二十數年前の自分の體験と重ね、あまりの進歩の無さを悔しく思った。

         だが、彼女はあきらめたり、投げ出したりもしていない。
         「試行錯誤の最中ですが、それでも、どうにかして“おいしい”っておかわりしてくれる料理を、一品でも増やしていきたいんです」

         臺所という密室で悩んでいるのは、あなただけではない。

         後日、2歳雙子男児と9歳女児の父、カメラマン本城直季さんから屆いた事務連絡のメールに、こんな一文が添えられていた。
         『すごい共感のできる悩みでした』

         孤獨に戦い、できない自分を責めている人はきっと少なくない。悩みや気付き、ヒントをシェアできる場がもっとあったらいい。少なくとも私は、応募してくださってありがとうと、彼女に禮を言いたい。

        「東京の臺所2」取材協力者を募集しています

        臺所のフォトギャラリーへ(寫真をクリックすると、くわしくご覧いただけます)

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