志田彩良の ほっこり銭湯愛 湯船の壁絵は下町のかおり

「あたたまる」って何だろう。東京?三河島(荒川區)の銭湯「雲翠泉(うんすいせん)」の風呂場には、男湯に富士山、女湯に北海道駒ヶ岳の壁絵が神々しく輝く?!赶骂螌毷洹工群簸芝榨ˉ螭猡い肓ψ鳏蛱鳏幛膜?、湯につかる。あるいは、湯上がりの散歩道、暮らしの匂いをどっぷりとたたえた下町の空気にほっこりする……。朝日新聞デジタルマガジン「&」が「#あたたまる」としてお送りする、お湯周りの癒やし。プロローグは、TBS系火曜ドラマ「君の花になる」に銭湯の娘?池岡奈緒役として出演中の俳優?志田彩良さん(23)の雲翠泉探訪です。

東京の下町と言ってもアイコンはさまざまだ。淺草?押上なら雷門にスカイツリー、月島ならもんじゃ焼き……。推されるような分かりやすいネタがある。ここ三河島には、それほど有名な目印はない。JR三河島駅周辺に住宅やアパートがひしめき、狹い路地が縦橫に走る。路地で車から降ろされ目隠しを取ったら、スマホがあってもしばらくは方向感覚がつかみにくいだろう。洗濯物が翻り、隣家のくしゃみも聞こえてきそうな街並みにそっと溶け込むように、雲翠泉は現れる。
下町?三河島の路地
「三河島駅から歩いてくるとき、小さなカメラ屋さんを見つけました。ラーメン屋さんや中華、エスニック系のお店が多いですね。すごくおいしそう。キムチを売っている店や韓國料理のお店も多い。友だちにも紹介したいですね!」

10月下旬の撮影日、志田さんは慌ただしいスケジュールの合間をぬって、電車を乗り継いで三河島にやってきた。
そう。三河島はコリアタウン。道すがら、志田さんは、そんな街の「におい」も感じつつ雲翠泉にたどり著いた。晝下がりの路地は、「君の花になる」のロケで通う別の銭湯のある街に比べ、「すごく靜かで落ち著いた雰囲気」という。

「銭湯のアナログな外観がいい。おしゃれだなあ、と思います。私はフィルムカメラが好きで、散歩の途中にもよく撮っているんですが、銭湯ってフィルム映えしますよ。あと、それぞれの銭湯を表現する『ニッポン銭湯風土記』の言葉選びも素敵だなって思います」
今回の取材にあたり志田さんは、「銭湯を軸に街を見つめる旅」をテーマにする&Travelの連載「ニッポン銭湯風土記」に目を通してくれた。その中で気になった銭湯が雲翠泉だ。そして、連載に登場する雲翠泉以外のレトロ銭湯たちにも、志田さんの絵心は刺激されるようだ。

お風呂屋さんとの「縁」

「このロッカーは、初めて見ました?。ē攻骏螗墒饯危─丧楗ぅ洎`も!」
橫からボタンを押し込むと鍵がかかり、箱番號が書かれたゴムひも付きの札がカチャンと跳ね上がるロッカーに感激している志田さんだが、銭湯との関わりは少なくない。
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