放置された段ボール、開けると昭和の女性用下著…防災擔當職員の嘆き
大坪実佳子
福島市のイラストレーター、ico.(いこ)さん(36)は數年前、2011年に発生した東日本大震災の避難所で実際にあった出來事を4コマ漫畫にしてほしいと依頼され、衝撃を受けた。
年配の男性が、避難所にいた女性を集め、生理用ナプキンを1人につき1枚ずつ配ったのだという。
個人差はあるが、生理中は1日にナプキンが何個も必要な一方、生理は約1カ月に1度しかないため、全員に配る必要はない。
受け取った人たちは、ナプキンはトイレに備え付けたり、女性が配ったりするといった配慮をしてほしかったと感じた、というシーンだった。
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このエピソードは、公益財団法人「せんだい男女共同參畫財団」(仙臺市)が震災の教訓を伝えようと市民に募ったところ、寄せられたものだった。
ico.さんは「女性にとっては當たり前なのに……」と、防災に女性の視點が必要なことを痛感したという。
漫畫は「知らなかっただけなんです」というタイトルで、財団の広報誌に掲載された。
実は、ico.さん自身も、アトリエを兼ねた自宅を2度、災害で失っている。東日本大震災では宮城県名取市の実家が津波で、19年には福島市內の自宅アパートが臺風19號による川の氾濫(はんらん)で流された。
幸い、いずれも親戚の家など…