米韓の「戦略的あいまい性」を逆手? 加速する北朝鮮のICBM開発

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牧野愛博
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 北朝鮮が3日、大陸間弾道弾(ICBM)とみられるミサイル発射した。米本土を攻撃できるICBMは、朝鮮半島有事の際の米國の動きを強く牽制(けんせい)する切り札だ。北朝鮮のICBMによる核攻撃が可能になるとすれば、日米韓の3カ國には防衛の戦略づくりが求められる。

 北朝鮮は2017年にICBM「火星15」を撃った後、米朝交渉が進むなかで発射を凍結していたものの、今年3月に凍結破棄を宣言して「火星17」を撃った。岸信夫防衛相(當時)は4月、火星17が通常の角度で発射された場合、射程が米本土全域に屆く1萬5千キロになる可能性があるとした。

「核廃絶よりもICBM阻止」との聲も

 北朝鮮によるICBMの開発は米國自身が北朝鮮から核攻撃を受ける可能性を高めている。今春に訪米した日本の安全保障の専門家によれば、米國では対北朝鮮の対策として核廃絶よりも、ICBMの開発を防ぐ方により力を注ぐべきだとの聲が強まっている。

 現在のところ、北朝鮮のICBMで性能が実証されたのは、米本土を射程に収める「エンジンを開発した」という事実だけだ。核弾頭を搭載する能力や、大気圏外に出た後に再び大気圏に再突入させて標的の上空で爆発させる技術の有無は確認されていない。

 ただ、ゲーツ米國防長官(當…

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