「AKBと一緒」が棋力の秘密? 高校將棋に風穴、全國常連の巖手高
高校將棋界で全國大會上位の常連校が巖手県にある。県內唯一の男子校で、盛岡市にある中高一貫の私立巖手高校。この15年間に開かれた14回の全國大會で優勝4回、準優勝5回。將棋は「頭脳の格闘技」といわれ、高校將棋界ではいわゆる進學校が強いとされてきたが、そこに風穴を開けてきた。強さの秘密は――。
放課後、「囲碁將棋部」が活動する3階の教室。
10人ほどが対局しながら冗談を言い合い、笑い聲が響く。だれが上級生で、だれが一番えらいのか、はた目からはよくわからない。
「中學1年生から高校3年生まで混ざってるなんて、思えないでしょ?」
顧問の藤原隆史先生(51)がほほえんだ。
藤原先生は巖手高の卒業生で、1994年に數學教諭として著任した。その年に、部の歴史が始まった。
アマ四段の実力者。將棋好きの初心者の生徒3人に指導を依頼されたのがきっかけで、放課後に個人的に指導する「同好會」を結成した。その年、高校將棋選手権の県大會に初出場し、団體戦は初戦で「ボロ負け」。しかし、半年後の秋の県新人大會で1人がベスト8に進出した。この経験が、大きな一歩になった。
「自分たちの努力が通用するという手応えになりました」
96年、高校選手権県大會の団體戦で早くも準優勝。97年には優勝し、全國大會初出場を果たす。同好會結成からわずか3年だった。2003年からは県大會12連覇。この間、08年に念願の全國初優勝を成し遂げ、11~13年に3連覇した。
記事の後半では、各地の學校での指導に力を入れ、巖手高の合宿で指導したこともある勝又清和七段に、同校の特徴や將棋の指導方法などを聞いています。
いわゆる進學校が強いとされ…