先崎學九段の一言に救われた 將棋「地獄の三段リーグ」に挑む24歳
北上田剛
「地獄の三段リーグ」。將棋のプロ棋士養成機関「奨勵會」には、そう呼ばれるリーグがある。四段からがプロの棋士となるため、三段同士が競い合うプロへの最後の関門だ。
半年かけてリーグ戦を行い、40人ほどのうち、上位2人に入れば四段になる。
秋田県出身の田中大貴(たいき)さん(24)は4年前、三段に上がり、プロへの挑戦を続けている。
「地獄」と呼ばれるのは原則26歳の年齢制限があり、全國から集まった「天才」たちがしのぎを削って、多くが夢破れて去っていく激戦の舞臺だからだ。
プロデビュー戦から公式戦29連勝を飾った藤井聡太竜王も、直前の三段リーグでは13勝5敗と苦労した。
「プロになるため、自分たちは將棋に青春を捧げてきた。本當に殘酷なリーグだと思う」。田中さんも、こう指摘する。
「そろそろ年齢制限も考えないといけない年になってきた」
年の離れた後輩が「才能を見…