大谷翔平とMVP爭うジャッジが覚醒した裏側 新記録を支えたコーチ

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ニューヨーク=遠田寛生
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 大リーグのアメリカン?リーグのシーズンMVPが17日(日本時間18日)、全米野球記者協會(BBWAA)から発表される。

 昨季受賞したエンゼルスの大谷翔平(28)を抑え本命視されているのが、リーグ新記録の62本塁打を放つなど打撃部門を総なめにしたヤンキースの外野手、アーロン?ジャッジ(30)だ。

 彼の打撃を支えた一人、個人コーチのリチャード?シェンクさんに飛躍の背景などについて聞いた。

 ――ジャッジとの出會いは。

 「彼の代理人であるデービッド?マトランガ氏が現役時代、自分に教わりに來ていた。ジャッジが打撃で困っていた2016年11月、一緒にやってみないかと連絡をもらったんだ」

 「最初は1日2回の練習を1週間ぐらいやった。これだけのレベルの選手を教えるのは初めてだから、とても緊張したよ」

 「彼が経験したことのないメニューをいくつか與えて、飽きさせないようにした。彼はすごく注意深くて、一生懸命取り組んでいたのを覚えている」

 ――指導するきっかけは。

 「私はミズーリ州セントルイス近郊で飲食店を経営している。ビリヤードテーブルが17臺ある店で、始めて34年になる」

 「息子が2人いてね。高校や大學で野球をしていた。でもうまく打てなかったので、私がインターネットを使ってスイングを勉強することにしたんだ」

 「色々なサイトで研究したけど、しっくりこなかった。そこで、當時大活躍していたバリー?ボンズ(主にジャイアンツ)をまねすることにした。完全再現。地下室にこもって、映像を止めながら何度も何度もボールを打ったよ」

 ――難しそうですが、大リーグ歴代最多762本塁打のボンズ氏を選んだ理由は。

 「間違いなく最高の打者だったし、自分と同じ左打ちだったから。彼が打席で何をしているのか、動きを分解して研究した」

 「そうしたらある理論に気づいてね。今までにない力がスイングについた。それを息子2人に教えたら、プロには屆かなかったけど、成功と呼べる野球人生を送れたんだ」

 ――今ではジャッジが理論を取り入れた。

 「そう。気に入ってくれたみたいで、2017年1月にまた1週間ほど一緒に練習して、3月には春季キャンプにも數日呼ばれた」

 「シーズン開幕後は、打撃の…

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