「うつ病」の元代表救った森保監督 ポロッとこぼした?魔法の一言」
心の病に苦しむ人が近くにいたら、どうすればいいのだろう。元サッカー五輪代表の森崎浩司さん(41)は現役時代、10年以上にわたり「うつ病」を抱えながらプレーしてきた。とりわけ現日本代表監督の森保一さん(54)には「寄り添って支えてもらった」という。そのエピソードやアスリートとして抱えた思い、経験者として周囲に望みたい振る舞い方、同じ癥狀を抱える人への自身の関わり方などを聞いた。
「誰もがなりうる病気なんです」
――現役を引退してから、心の病だったと打ち明けました。
「診斷名はオーバートレーニング癥候群で出してもらっていましたが、うつ病だったと認識しています。2000年にサンフレッチェ広島に新加入して、最初に発癥したのが05年で、引退した16年まで繰り返していました」
「今は癥狀は全くないです。ただ、もう絶対ならないとも思わない。再発したら、受け入れるしかない。スポーツ選手は強靱(きょうじん)な肉體と精神を持っていると思われますが、そうじゃない。うつ病は、誰もがなりうる病気なんです」
――どんな癥狀でしたか。
「寢られず、疲れがとれませんでした。體がだるくて、頭がボーッとして人の話が入ってこない。しんどい時は、朝の歯磨きや顔を洗うことすらできなかった。忘れ物も多くなりました」
「かといって、休んでいるのもしんどいんです。世間の方々は普通に仕事をしているのに、僕は何もできないんだ、という絶望感に陥った。死にたいと思ったこともあります。家族が一緒でも、部屋に一人でこもると孤獨でした」
――サッカーをやめたいと思ったこともあったのですか。
「もうやりたくないと思いました。でも、自分にはサッカーしかないし、家族のことを考えると、歯を食いしばるしかないという苦しさがありました」
――心の病の原因は何だったのでしょうか。
「完璧主義な性格ですかね。サッカーはミスが非常に多く起こるスポーツなのに、一つのミスも許せない自分がいた。例えば、コンディションを保つには睡眠は8時間とらないといけない、と自身を縛っていた。自分を肯定するのが苦手で、周りに評価されたいという気持ちが強かったです」
いつも寄り添ってくれた森保監督
――休養を挾みながら、體調を整える。発癥後、そんな選手生活を約10年にわたり送りました。
「一人の力では、なかなか乗り越えられなかったと思います。風邪やけがとは違って、目に見えないところで苦しんでいるので、家族や職場に病気を理解してもらう必要があります。周囲のサポートは大きかった。中でも、監督だった森保一さん(現サッカー日本代表監督)には支えられました」
――森保さんは、12年から広島の指揮を6シーズン執りました。
「初めは、監督交代で練習內…

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