鳴門生まれのコウノトリ死ぬ 香川のため池で発見、鳥インフル陽性
吉田博行
徳島県鳴門市の営巣地で昨春生まれた國の特別天然記念物のコウノトリのメス「にじ」(1歳)が、香川県丸亀市のため池で死んでいるのが見つかった。徳島県が16日発表した。香川県が実施した簡易検査で鳥インフルエンザの陽性反応が出たという。
コウノトリの野生復帰に取り組む兵庫県豊岡市の県立コウノトリの郷公園によると、2005年にコウノトリの放鳥を始めて以來、鳥インフルエンザの陽性反応が出たのは初めて。
香川県によると、今月15日に地元住民が丸亀市のため池でコウノトリの死骸を見つけ、市に連絡。個體識別用の足環(あしわ)から、にじと分かった。16日に検體を國立環境研究所へ送り、高病原性かどうかを遺伝子検査で調べている。
同市では今月7日にも、丸亀城の堀で死んでいたコブハクチョウ1羽の高病原性鳥インフルエンザウイルスへの感染が判明。環境省が半徑10キロ圏內を「野鳥監視重點區域」に指定していた。にじの死骸が見つかった池は、重點區域內にあったという。
にじは、鳴門市大麻町の営巣地で昨春誕生した3羽のメスのうちの1羽。地元NPO法人「とくしまコウノトリ基金」によると、にじは今夏以降、兵庫県南部や香川県を行き來していたという。(吉田博行)