(社説)一票の不平等 次の參院選へ是正急げ

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?。衬赆幛未韦芜x挙に、是正が間に合わない。そんな失態は、もう許されない。

 最大3?03倍だった今年7月の參院選の「一票の格差」をめぐる高裁判決が出そろった。

 全16件中、「違憲」が1件、「違憲狀態」が8件、「合憲」が7件と、投票価値の不平等の深刻さを指摘する判決が前回選挙より大幅に増えて、多數を占めた。來年に予想される最高裁判決を待つまでもなく、國會は是正を進めなければならない。

 參院の一票の格差は95年の選挙以降、5倍前後で推移し、10年選挙(5?00倍)、13年選挙(4?77倍)について最高裁がそれぞれ「違憲狀態」と判斷した。16年選挙からは合區が導入され格差は3倍前後になった。最高裁は2回連続で「合憲」としたが、その最高裁でさえ現狀にお墨付きを與えたわけではなく、19年選挙の判決は「大きな進展がない」格差是正の取り組みを進めるよう求めていた。

 最高裁の「期待」は外れ、22年選挙は何の改革もなく行われた。今回、合區導入以降初めてとなる「違憲」判決を出した仙臺高裁は、「投票価値の平等という重要な要請について、國會が裁量権を逸脫し是正しなかった」と述べた?!高`憲狀態」の大阪高裁は、國會の格差是正の取り組みを「具體性の乏しいもの」と批判している。

 格差最大の神奈川選挙區で3?03倍。一票の重みが、福井選挙區の3分の1に過ぎない不平等は見過ごせないうえ、前回より0?03ポイント広がった。前回の3倍超は宮城1カ所だったが、今回は東京、神奈川も加わって3カ所になり、有権者數の2割を占める。こうした地理的な広がりに著眼した判決もあった。

?。保赌赀x挙の合區を導入した改正公職選挙法は、付則に定數調整にとどまらない「抜本的な見直し」をすることが明記されたが、実現していない。22年選挙に先だっては、與野黨が參加する「參院改革協議會」が昨年5月から議論はしたものの、論點整理で終わった。

 スケジュールが予想できる參院選ですら、直近の選挙に対応を間に合わせられない。この國會の緊張感を欠く姿勢こそが、各高裁の「違憲」「違憲狀態」の判斷を招いたといえる。

 各高裁判決をふまえ、「參院改革協議會」はおととい選挙後初の會合を開いたが、自民黨內からは「最高裁の判斷を待ちたい」との本音が出ている。

?。玻的赀x挙から是正するには24年中の法改正が必要で、猶予はない。ブロック制導入など既にいくつかの案が示されている。參院のあり方の議論を深めつつ、格差是正に直接つながる策を早急に具體化すべきだ。

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    常見陽平
    (千葉商科大學準教授?働き方評論家)
    2022年11月18日6時42分 投稿
    【視點】

    ■一票の格差を斷固として粉砕し「少數決」社會と決別せよ  四の五の言わずに、このサイトであなたの一票の価値をチェックするのだ。朝日新聞読者ならここで怒りのマグマが爆発することだろう。  https://www.ippyo.org/che

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